株式会社エス・アイ・ティ
1日の就業時間は6時間

エス・アイ・ティは東京と大阪に事務所を持ち、電気設備工事や電気通信工事等を行っています。東京事務所では主に官公庁や東京都、および港区の入札案件に携わっています。

 

ブラック企業での勤務経験を生かして

東京事務所のトップを務める中島薫氏はかつて、残業が月100 時間を超えることが常態化し、有給休暇もとりにくい、いわゆる「ブラック企業」で勤務をしていました。
転職してきた当時のエス・アイ・ティでも有給休暇をとりづらく、残業が発生していたことにもどかしさを感じたと言います。
自身が副社長となり、職場環境を改善できるような立場になったとき、とにかく働きやすい職場をつくりたいと思ったのがワーク・ライフ・バランスへの取り組みの始まりとなりました。社内外へのアピールにもなり、採用も加速でき、何より自身の過去の経験から「プライベートも仕事も楽しむことが大事」だという思いが根本にあります。

 

 

1日の就業時間は6時間

まず着手したのは就業時間の改訂でした。当初1日に8時間勤務であったのを1日7時間に変更をし、今では1日6時間まで短縮しました。8時間勤務時と給与の変更はないまま勤務時間の短縮のみ行いました。「いかにプライベートを大切にできるかがよい仕事につながる」という考えの下の決断で、同時に残業時間の削減や有給休暇の取得促進も行いました。

 

オフィス風景

 

 

改革を進めるための工夫

改革を進めていく中で、発生した反対意見に対して一つずつ向き合い、説明し、説得し、解決していき、ワーク・ライフ・バランスの取組を進めていきました。
就業時間を短くしただけでは、こなせる仕事量が減り、業績にも影響が及んでしまうのではないかという心配が残ります。そこで働きやすい職場環境づくりの土台として、社員へのメンタリティの教育を最重要視しています。オリジナルのコンテンツを使用して、目標設定や時間管理(TODO管理)をはじめ、自ら課題解決できるようになるためのトレーニングを実施。タスクをためこまないように、問題を起こさせないことを目指し、業務を平準化できるような工夫も教えています。
※オフィス写真

 

 

大切なのはコミュニケーション

 

毎週社内会議を開催して進捗・課題を共有し、だれもがカバーしあえるような体制を維持しています。社内会議はオンラインで開催し、基本全員が参加します。社員が発言しにくくならないよう、なんでも話せる雰囲気づくりを経営者側が常に心掛けています。
こういった推進により、「社内の空気が明るくなっていろんなことが言いやすくなった」「仕事の内容もプライベートのことも話せるようになった」という社員の声があります。「旅行はこっそり行かないといけない、バレないようにしないといけない」というのもなくなって、コミュニケーションがとりやすくなり、有給休暇の取得も年々増加しています。残業もほぼ発生していません。
人材採用についても、採用の募集を行うたびに多くの人の応募があり、人材確保につながっています。


リモート会議風景

 

 

  株式会社エス・アイ・ティ     https://sit.skr.jp/
【設立】昭和58年1月
【代表者】代表取締役 中島 洋爾 
【従業員数】9人
【所在地】東京都港区東麻布2-32-10
【取材日】令和5年9月13日
「令和5年度 港区ワーク・ライフ・バランス推進企業認定」