株式会社ペンシル
多様性が成長のカギ!さまざまな人材の活躍を推進する

企業概要

 当社は平成7年(1995年)に設立され、研究開発型ウェブコンサルティング事業を展開しています。独自の視点から実験や研究を重ね、研究結果によるノウハウをもとにクライアント企業のデジタル戦略を総合的に支援し、ウェブでの売上・成約向上から、DX経営までコンサルティングを実施しています。ペンシルは「インターネットの力で世界のビジネスを革新する」を企業理念に掲げ、常に新しいインターネットの可能性に向けて挑戦を続けている企業です。

 当社は、近い将来の労働人口減少を見越し、また新たな価値の創造に向けて優秀な人材の確保・定着をはかり、ダイバーシティ経営を実践しています。その取組が評価され、経済産業省の「平成29年度 新・ダイバーシティ経営企業100選」選定、8 年連続「PRIDE指標ゴールド」受賞、および、九州初の「PRIDE指標レインボー」に認定されています。ダイバーシティ経営実践に向けては、ワーク・ライフ・バランスの確保が重要です。2024年3月5日には、女性活躍推進法に基づく優良企業として、厚生労働大臣より「プラチナえるぼし」認定を受けました。福岡県内の企業において初めての認定となります。また、高い水準の子育て支援企業を認定する「プラチナくるみん」とダブルでの認定は九州のIT企業で初めてとなります。当社は19期連続黒字を達成していますが、この業績の維持向上と、社員のワーク・ライフ・バランスの両立を図っています。

 

多様性が成長のカギ!さまざまな人材の活躍を推進する

1)メイト制度の創設

 コンサルティングという仕事の特性上、業務が属人化しやすく、コンサルタントの長時間労働が課題になっていました。コンサルタントの業務を棚卸・見える化してみたところ、コンサルタントがレポート作成などコンサルティングに関わる業務すべてを担っており、コア業務に集中しがたい環境にあることがわかりました。そのために導入したのが「メイト制度」です。子育てや介護、副業などにより短時間勤務を希望している人(メイト)に、レポート作成や調査業務といった非属人的で工数管理がしやすい業務を担ってもらい、コンサルタントが属人的で工数管理がしにくい業務に集中できる環境を整えました。これによって時間外労働が減り、さらにオペレーションの質が向上、そして女性やシニアの視点が加わることでコンサルティングの精度も向上しました。
 メイト制度の発展形として、2016年にサテライトオフィス「PIC愛宕」を福岡市西区に開設(PIC=ペンシル・イノベーション・セントラル)。元システムエンジニアやプログラマーなどの子育て中の主婦を多く採用しています。

 

(2)アクティブシニアの活躍推進

 2017年には、離島のサテライトオフィス「PIC壱岐」を開設しました。このオフィスは古民家を改装したもので、9人が働いています。壱岐は高齢化率35%、この数字は20年後の日本の姿です。ここでアクティブシニアの採用による雇用創出を行っています。シニアもインターネットを使うのが当たり前になっている世の中ですが、ウェブ関連の仕事に就くのは20代〜30代が多い。世代間のギャップの大きさに着目し、シニアユーザーの視点でウェブサイトを診断するサービスも提供中。高齢者がインターネットをより利用しやすい環境づくりは、日本経済の活性化にもつながると確信しています。

 

(3)社員のライフスタイルに合わせて会社も変化

 東京にオフィスを作ったのは、もともと福岡の本社に勤務していた社員が結婚を機に上京することになり、退職を申し出てきたことがきっかけでした。台湾オフィスの開設の経緯もほぼ同じです。2016年5月には、アジア地域へのさらなる進出ニーズ拡大を受け、台湾オフィスを現地法人化しました。
 いったん退職した社員の復職も柔軟に認めています。独立のために退職することになった社員が、数年後会社を終わらせることを決めたときに作ったのが「おかえりなさい制度」です。社外でチャレンジしたのちにもう一度復職することを認めています。また、内定を辞退した応募者を再度の採用へ繋げる「ただいマン制度」や知り合いを連れてきて紹介する、いわゆるリファラル採用を行う「推し採用」などのユニークな制度が充実しています。
 最近は、男性育休にも力を入れており、対象者の100%が男性育休を取得しています。対象者の男性の育休中、どのように業務分担、役割分担、フォローする体制を考えることにより、多様なスタッフの働き方に対する理解も進みました。今後は、社員の高齢化を見据えて、介護支援にも取り組む予定です。

 

(4)これらからのダイバーシティ

 当社にはダイバーシティモチベーターがおり、LGBTQ+当事者の支援や理解・定着の促進も行っています。もともとは会社の中に保健室を置きたいという思いがあり、さまざまな悩みに対応できるのはどんな人かを考えた結果、LGBTQ当事者でもありセラピストでもある人材に行き当たりました。今では、スタッフの悩み相談から社内でのLGBTQ+研修の実施、そしてLGBTQ+当事者が日常生活で不便を感じている不動産や保険などを手掛ける事業者へのコンサルティングまで行っています。
 女性もシニアもLGBTQ+も、ビジネスを作ろうと思って採用したわけではありませんが、多様な人材を採用したからこそ、新しいビジネスが自発的に生まれました。当社は全員のために大きな制度を作るのではなく、一人一人に合った多様な制度を作ることが大事と考えています。会社自体が個人にフィットしていくことが大事です。ただし、当社が大事にしているのは「責任のある自由」です。誰もが責任をしっかり受け止めて成果を出しながら、自分らしく活躍する組織づくりを進めています。

 

   

来るのが楽しくなる、働くのが楽しくなるオフィスづくり

 

年に1度「ダイバーシティウィーク」を開催

 

 

 株式会社ペンシル  https://www.pencil.co.jp/
【所在地】
 FUKUOKA OFFICE:福岡市中央区天神1丁目10-20天神ビジネスセンター15F
 TOKYO OFFICE:東京都渋谷区渋谷2丁目21−1渋谷ヒカリエ33F
【設立】平成7年(1995年)
【代表者】倉橋 美佳
【従業員数】140人(2024年6月現在)
【取材日】令和6年6月26日