REALITY XR cloud株式会社

REALITY XR cloud株式会社
「”人”がいるメタバース」を活用して、企業のメタバース参入をサポート

春山 一也さん

REALITY XR cloud株式会社
代表取締役社長春山 一也さん


REALITY XR cloud株式会社
代表取締役社長
春山 一也さん
Kazuya Haruyama


REALITY株式会社ではGREE内製ゲームの開発運営プロデューサーを経て、横断的に10タイトル200名規模のゲーム運営事業部部⻑にて全社利益に貢献。その後ウェブ・アプリ・エンタメのB2B2C事業部門を立ち上げたのち、現在のメタバース領域を中心とした法人向け事業部責任者として推進。2023年3月、REALITY XR cloud株式会社の代表取締役社長に就任。

 

全世界1000万DLを突破したアプリ「REALITY」でメタバース事業に参入。

弊社の親会社であるグリー株式会社は、2015年からVR事業やVTuber事業、さらにスマートフォン向けのバーチャルライブ配信アプリ「REALITY」のサービスを展開してきました。そんな中、世界的に注目され始めたのが「メタバース事業」と言われるものでした。

 

メタバースとは、参加者同士がアバターを通じて会話や遊びなどの交流が可能なうえ、実社会に近いレベルで自由な活動ができるデジタル世界のことをいいます。また、現実と仮想の隔たりを超えて社会活動ができる「次のインターネット空間」とも言われています。

 

2020年、コロナ禍において世界中で生活のデジタルシフトが進み、5GネットワークやVRデバイスの普及、ブロックチェーンをベースにした経済圏の拡大が加速していきました。そこで弊社は、全世界63の国と地域において1000万DLを突破した弊社のアプリREALITYをうまく活用して「メタバース事業」に参入することを決め、2021年の8月に参入表明しました。

 

1000万ダウンロードを突破したアプリ「REALITY」の人気の秘密。

現在、グリーのメタバース事業では大きく分けて2つの事業を推進しています。ひとつはスマートフォン向けのメタバースで、誰でもスマホ1台でアバターの姿になり、顔出しのライブ配信やゲーム、コミュニケーションを楽しむことができるアプリ「REALITY」の事業です。

もうひとつは、法人向けに3D CGを活用したバーチャル空間や、イベント制作プラットフォームを提供する「REALITY XR cloud」という事業になります。

まずバーチャルライブ配信アプリ「REALITY」からお話ししますと、2022年10月に全世界ダウンロード数が1000万を突破し、現在では世界63の国と地域で12言語に対して世界中のユーザーが利用できるアプリとなっています。

 

 

REALITYでは、アバターという「なりたい自分」の姿でいろんな人と交流ができ、楽しく快適な時間を過ごすことができるため、そこに大きな魅力を感じて利用しているユーザーが多くいらっしゃいます。男女の比率としては女性が多く、デジタルネイティブのZ世代のほかに30代、40代の最新ガジェットが好きな方々が利用してくださっています。

 

小さい頃は「ごっこ遊び」をした方も多いと思いますが、それをバーチャルの空間で、理想の自分の姿で誰かと一日中遊べるわけですから、「ごっこ遊び」が好きな人にとってはたまらないと思います。
もちろんそれだけではなく、REALITYというバーチャル空間だからこそ、ジェンダーや障がいに囚われることなく自由に過ごせるという声もいただいております。そのため、ログイン時間は平均で1時間以上、中には毎日10時間アプリを利用し続ける方もいて、他のアプリと比べてREALITYはダントツで利用時間が長いのではないかと思います。

企業のメタバース参入をサポートするサービス「REALITY Worlds」を展開。

メタバース事業を展開するには、数億単位の予算がかかることもあり、参入したくてもできない企業がたくさんいます。そこで、法人向けに3D CGを活用したバーチャル空間やイベント制作プラットフォームを提供するREALITY XR cloudのサービスのひとつとして、アプリREALITYをプラットフォームとして活用いただける「REALITY Worlds」というサービスを始めました。

 

 

REALITY Worldsは、プロモーションや展示会、交流会等のイベント制作、バーチャル支店、デジタルツイン都市等の空間開発、バーチャル都市を利用したメタバース広告などを、1000万DLしたREALITYユーザーに対して展開することが可能なため、よくある「メタバースに挑戦して“箱”(3D仮想空間)を作ってみたものの“人”がいなかった」という問題が起こることもなく、安心してメタバース事業に参入することができます。

 

近年ではさまざまなB to B事業が存在しますが、メタバース事業に関しては弊社のREALITY Worldsには人がいるため、安心してお任せしていただけるのではないかと思います。

 

例えば、2022年6月から7月に開催した「ミュージックフェスワールド」では、ロート製薬公式YouTuber根羽清ココロさんと一緒にステージに立った気分が味わえるスポットを設けたり、「VTuber Fes. BPM [Blinks Per Minute] powered byロート製薬」に関連する多数の展示をバーチャル空間内で行い大変好評でした。また、空間内に設置された“人間ほどの大きさの目薬”をバックにユーザーが撮影した写真がバズるといった現象も起き、ロート製薬様にとって大きな宣伝効果になったと考えられます。

 

大手企業とのコラボでユーザーに楽しい空間を提供。

他にも様々な企業とコラボレーションをしておりまして、2022年6月末に株式会社エイチ・アイ・エスとご一緒した「HIS トラベルワールド」では、ハワイ、沖縄、ハウステンボスに訪れた気分が味わえるフォトスポットを用意して、ユーザーがアバター仲間と一緒にサーフィンしたりイルカやシーサーに乗ったりという楽しい体験をしながら写真を撮れるという空間を作りました。
利用された方の中には、リアルに旅行がしたいという気分になり、エイチ・アイ・エスで実際に旅行プランを相談しに行かれたという話も聞きました。また、「HIS トラベルワールド」には1ヶ月で135万人以上が訪れたので、結果的に良いプロモーションになったのではないかと思います。

 

 

2022年1月に株式会社サンリオと期間限定でオープンした「SANRIO Virtual Festival in REALITY」は、「サンリオVfes」のエントランスフロア「ピューロエントランス」をアプリREALITYの世界観でアレンジし、サンリオの人気キャラクターとのグリーティングや、サンリオキャラクターによる世界初のバーチャルキャラクターパレード、VRアーティストによるパーティクルライブなどの無料ステージの中継を仲間たちと一緒に楽しめるという空間を提供し、ユーザーには大変満足していただけました。

 

また、2022年11月30日から2022年2月28日まで三井不動産株式会社と株式会社東京ドームとのコラボ「東京ドームワールド」を開催いたしました。この空間では、ドームのステージ上でアバターとしてアーティストのようなライブ配信が可能で、さらにステージに立つ仲間を観客席から応援できるなど、参加したユーザーにさまざまな楽しい経験を提供することができました。現実ではなかなか叶えられないことも可能なのがバーチャルの魅力ですよね。

セキュリティ面にも力を入れたアプリでユーザーの安心安全を守る。

弊社はグリーが母体としてあるので、ソーシャルネットワークのノウハウオペレーションには長けています。例えば、1秒単位、1分単位のユーザーの動きをデータ化し、普段どのような機能が使われているのかをチェックして、より快適にご利用いただけるように細かく改善しています。

 

また、高校生や大学生がユーザーに多いこともあり、セキュリティ面に関しても力を入れております。18歳以上は制限なく使用でき、13歳から17歳まではアプリ機能の一部に制限をかけていますが、万が一トラブルが起きた場合は通報窓口も設けていますので、安心安全にご利用いただけるよう配慮しています。

 

実は、海外でリリースされているメタバースのサービスは、安心安全の保証に関してそこまで徹底されていないんですね。インターネットサービスなので、セクハラの問題も起きますし、よからぬことを考えている大人が容易に子どもに接触するといった事件性のあるものも増えています。
コラボを希望する企業にとっても安心安全に利用できることはマストになるかと思いますので、そこがクリアになっている弊社のREALITY Worldsを活用することをおすすめします。

 

安心安全という面でもう一つおすすめなのが、REALITY Worldsを活用した人材採用です。企業から「採用イベントをバーチャル空間でできませんか?」といったお問合せをよくいただくのですが、先ほどご紹介したセキュリティに関して力を入れておりますので、企業にもユーザーにも安心して活用していただけるのではないかと思います。
また、REALITYユーザーにはデジタルネイティブ世代や新卒の方が大勢おり、さまざまな分野で活躍できる人材が揃っていると考えられますので、そういう意味でも人材採用でREALITY Worldsを活用することは、企業にとって大きなメリットになるといえます。

 

その場合、ユーザーに対してアバターとなった人事の方が直接話しかけていただくことも可能ですし、バーチャル空間内に企業ポスターを貼ることも効果的です。とにかく“人がいるメタバース”なので、どんどん活用していただきたいですね。

 

あらゆる企業と一緒にメタバースを盛り上げていきたい。

近年ではバーチャル空間での参加型イベントが増えていて、フォートナイトというバトルロイヤルゲームでは有名アーティストがバーチャルイベントを開催して話題になりました。REALITY もスマホ1つで仲間と会話をしながら楽しめるので、今後はもっといろんな企業とコラボして、新しいエンタメにも挑戦していきたいと思っています。

 

また、ファッション系のブランドやショップとコラボをすれば実店舗にもお客様を誘導できますし、リアルでイベントを開催するよりもメタバース内での開催であればコストも削減でき、大きな宣伝効果が期待できます。

 

2022年9月21日から12月4日まで開催した株式会社ビームスさんとのコラボ「ビームスディレクターズバンク プレゼンツ おふろパラダイス ととのい別天地」では、実在する施設「竜泉寺の湯 スパメッツァ おおたか」の魅力を再現したメタバース空間を提供したのですが、メタバース上のサウナに世界中から340万人が来場してくださいました。300万人を超える人数を集められる施設は現実にはありえないので、そこもメタバースのおもしろさですよね。

 

メタバース事業参入表明時から1年半以上が経ちますが、100億円規模の事業投資を行う予定でスタートした事業ですので、今後はグローバルで数億人のユーザー獲得を目指していきたいですし、あらゆる企業と一緒にメタバースを盛り上げていきたいと思います。

 

※取材当時は、REALITY株式会社所属のため、REALITY株式会社の担当者として話をしていただいてます。

記事投稿日:2023年3月23日