株式会社オンギガンツ

株式会社オンギガンツ
DX人材を育成する
AI & IoTのスペシャリスト

松田 雄馬

株式会社オンギガンツ
代表取締役松田 雄馬

株式会社オンギガンツ
代表取締役
松田 雄馬さん/Yuma Matsuda
大和大学情報学部特任教授、AI・メタバースラボ所長、一橋ビジネススクール講師。
大阪出身。京都大学大学院卒業後、NEC中央研究所にてオープンイノベーションを推進。MITメディアラボ、ハチソンテレコム香港、東京大学との共同研究を経て、東北大学と共同で、脳型コンピュータプロジェクトを立ち上げ、博士号を取得した後、独立。オンギガンツの前身となる、合同会社アイキュベータを共同設立し、大手企業のAI/IoTを中心とした新規技術開発・事業開発を支援。現在、技術開発・人材育成・組織開発の三方から、DXに取り組む企業の経営戦略策定・実行を支援。デジタルテクノロジーとともに生きる豊かな未来を創造するための情報発信としてテレビ・ラジオにも出演し、多数の著作を執筆。
●個人・組織の「DX対応力」を診断できるサービス:松田式Dig診

 

 

日本をデジタル先進国にする
DX人材育成支援

 

―DX人材育成というのは今、非常にニーズのある分野ですが、

貴社のビジネスの経緯と具体的な事業内容を教えてください。

 

私はAIの専門家で、元々NECに勤めていました。

そして、2016年に独立し、「人工知能の哲学」という本を出版しました。この本をきっかけに、企業から「AIプロジェクトを始めたいけれど、どうやって始めたらいいかわからない」という相談を受けるようになりました。しかし、多くの企業は「デジタル化」に取り組むのにハードルが高いと感じていて、システムを購入するので作ってくださいという姿勢になっていました。

 

これは非常に良くないと考え、デジタル化のための研修を提供し、人材育成や組織育成までトータルにサポートできる会社を目指し、2021年4月に株式会社オンギガンツと名称を改め、体制の刷新をおこないました。

当社の主要な事業はデジタル人材育成支援です。単に依頼を受けて研修するだけでなく、企業の現状を見ながら、年間の人材育成計画を立案するところから並走します。例えば、「10年で1000人のDX人材を育成し、DX先進カンパニーに生まれ変わる」という目標を掲げる企業もあります。このような場合は、最終目標を達成するために年単位のプログラムを相談しながら一緒に計画を立てています。特定のターゲットを決めているわけではありませんが、現在、当社の顧客の多くは物流や建設などのいわゆる「非IT」企業です。

 

これらの企業では、社員の半数以上が50代以上で、彼らが持つ知識や技術などのノウハウが継承されなければ、将来的には会社が危機に直面するかもしれません。そのため、デジタル化を通じて彼らのノウハウを次世代に受け継いでいく必要があります。また引退を控えた方々のモチベーションを高め、後継者の育成を促進します。同時に新しい技術を学んでいくなど、さらに知識を伝えてもらいたいです。どの企業でも、そのニーズを十分に理解し、企業と直接対話して調整をおこない、最終目標への道筋を確実に進むための仕組み作りが重要だと考えています。

 

 

 

 

デジタルでみんなが輝く世界に
人間味あふれる対応で不安をなくす

 

―実際に利用された企業の反応についてお聞かせください。

 

私の講義はよく「映画のドキュメンタリーを見ているようだ」と言われます。

研修後に懇親会でいろんな方からお話しを伺うと、DXやAIという言葉に抵抗感があった方でも、こんなに親しみやすく話が聞けたことに驚いたと言われます。「これなら自分にも一歩踏み出せる」と自信が持てた、というような感想を聞くと、とても嬉しく思います。

私自身はすごく現場主義で、AIの研究をしているため、人間を深く理解した上でプログラムを進めていきたい、と若い頃から考えてきました。AIは学習能力がありますが、まだまだ人間ではあり得ない間違いを起こしてしまいます。だからこそ、学習方法を人間から学ぶことをヒントにしています。それは、AIを向上させるのにとても大切なことです。

実際の現場でお客様と直接向き合うと、彼らの知見に驚かされます。そして、その知見を自分のものにしたいという強い意欲があり、私が講義を通してビジネス現場の皆さんと触れ合うことを大事にしている理由は、そのような知見との出会いに期待しているからなのかもしれません。

 

皆さんが、少しでもデジタルに触れて学ぶことによって、理解できることが増えていき、皆さんにワクワクしてほしいと心から願っています。

実をいうと、私自身もIT音痴で知識が不足していると実感する部分があります。カタカナの多い専門用語を使われると理解できないことがあるのです。難しく言われるのに抵抗感があり、大学生の頃はプログラミングの授業についていけなかった経験がありました。

だからこそ、理解できない人の気持ちを考えることを念頭に置くように心がけています。そして、それが臨場感や人間味につながって、私の話が親しみやすく感じられることにつながっていくのかもしれません。

 

 

 

 

デジタルを味方につけ
自分の価値を最大限に高める

 

―松田さんの考え方や人柄が貴社の魅力につながっているように思います。

貴社のこれからのビジョンを教えてください。

 

当社は今、すごくいいチームメンバーに恵まれています。そして、みんなで去年の売り上げから3、4倍に増やすことを目標にしています。

そのため、当社のDX対応力を診断するサービス「松田式 Digi診」を今年度中に100社以上の企業に利用していただきたいと考えています。「Digi診」は、人材採用の経験が少ないベンチャー企業とも相性が良く、そのような企業の皆さんにも利用していただけるようにしたいと考えています。

100社という目標を達成できれば、プロジェクトの進展にも大きな影響があるでしょう。桁が変わると世界が変わると言われますが、私たちのプロジェクトも同じで、さらなる成長に期待しています。半導体の圧縮率が100倍になると、今までに存在しなかった超薄型のノートパソコンが誕生したように、「Digi診」もさらに発展するでしょう。多くのデータが集まれば、集まるほど、どんなことができるようになるのか、未知の可能性に胸が躍ります。

 

これからのビジョンですが、私たちはみんながデジタルを味方につけるようになるだけではなく、デジタルを使う楽しさをまだ体験していない人に対して、デジタルを取り入れることで、自分の価値観や可能性に気付くきっかけになれば良いと思います。

私たちの診断サービスが、個人の価値を高めるためのツールとなることを目指しています。

 

 

 

 

人のつながりとビジネスの
バランスがちょうどいい街

 

―麻布十番で起業した経緯と港区を拠点にするメリットをお聞かせください。

 

当社を立ち上げたときに、コワーキングスペースにオフィスを構えることを考えていました。私の信念みたいなものですが、会社という閉ざされた環境のなかでおこなわれるディスカッションに対して、危機感というか、懸念を覚えたからです。

機密情報を守るという点では、そのような閉鎖された環境が必要ですが、コワーキングスペースのようにジャンルが異なる企業との交流がおこなえるオープンな環境を求めていました。

 

今のコワーキングスペースは、定期的にイベントが開催されたり、午後3時にはコーヒーミーティングがおこなわれたりしています。そこではスタッフがさまざまな企業を紹介してくれますし、周辺には飲食店がたくさんあるので、気軽に交流できる環境が整っています。実際に当社のエンジニアもコワーキングスペースで知り合いました。

風通しの良い開放的な会社にしたいと思っていたので、この場所はまさに私たちの理想にぴったりな環境です。夏になると麻布十番祭りなどが楽しめますし、港区は人とのつながりやビジネスのネットワークが絶妙なバランスで絡み合っているユニークなエリアであると感じています。

 

 

 

 

自分の価値を高めれば
どんな世界でも活躍できる

 

―これから起業するという方全般に向けてメッセージをお願いします。

 

実は私は中高生と関わる機会が多くて、多くの中高生が、両親が一般的な会社員であるため、「自分もそうなるのだろうな」と同じような道を歩むことが当然だと思ってしまっていたと耳にします。なので、学校で講演をおこなうと、「これまで出会った大人とは違う」というような言葉をよく言われます。

私自身は、父親が不動産業を営んでいたこともあり、周囲に起業家が多い環境でした。そのため、自分が会社員でも研究者でも、自分で責任をもって生計を立てることが当然のように思っていました。

私も9年間NECに勤めていましたが、会社員を辞めるときに何の抵抗もありませんでした。なぜかというと、勤め人であっても今自分がしている仕事とその価値を会社に提供している対価として給料をもらっていると考えていたからです。そしてどうすれば自分の価値を高められるか考え、勉強し、アピールできれば、独立しても大丈夫だと思います。

 

自分の人生に責任を持つというマインドで物事を考え直すと、会社の中で自分の価値を高めることができるなら、外の世界でも同じように成功できるはずです。同じ起業家仲間として、切磋琢磨しあえることを、お待ちしています!

 

 

 

 

記事投稿日:2024年2月20日