株式会社みらいワークス
株式会社みらいワークス
挑戦する「プロフェッショナル人材」を増やして日本を元気にしたい。
株式会社みらいワークス
代表取締役社長岡本 祥治さん
株式会社みらいワークス
代表取締役社長
岡本 祥治さん
Nagaharu Okamoto
[プロフィール]
神奈川県出身。2000年に慶應義塾大学理工学部を卒業後、アクセンチュア、ベンチャー企業を経て、株式会社みらいワークスを設立。働き方改革やフリーランス需要の拡大とともに急成長し、2017年12月には東証マザーズ(現・東証グロース)に上場。一般社団法人新経済連盟幹事、一般社団法人日本スタートアップ支援機構顧問、公益社団法人経済同友会幹事/地方創生委員会副委員長、同友クラブ理事、Entrepreneurs‘ Organization(起業家機構)会員。
プロフェッショナルに特化した人材ビジネスとソリューション事業。
私たちは「日本のみらいの為に挑戦する人を増やす」をミッションとして、プロフェッショナルに特化した人材ビジネスとソリューション事業をおこなっている会社です。創業して11年目となる現在は、フリーランス、起業家、副業、正社員といった多様な働き方と都心・地方を繋いでプロフェッショナル人材の挑戦を支援する為の、複数の事業を展開しています。
分かりやすく事業を3つに分類すると、「人材ビジネス」としては(1)人が間に入る〈プロフェッショナルエージェント事業〉と(2)ネット上でおこなう〈WEBプラットフォームマッチング事業〉。そのノウハウやビッグデータを活用しておこなう (3)「ソリューション事業」があります。
「高額フリーランス」のマッチングから会社として成長。
起業した2012年から上場する2017年までは、フリーランス向けのマッチングプラットフォームの単一事業のみでした。これは月の平均報酬が100万円以上の「高額フリーランス」のマッチングで、当社の特長となっています。
従来からクラウドソーシングでWEBデザイナーやライターなどのマッチングを行う会社はありましたが、高額のマッチングを行っているプレイヤーはなかなかいなかったので、狭い領域ですが、そこを起点に会社として成長してきました。
その業務内容としては、新規事業の立ち上げ、DXといった企業の新しい取り組みや、経営課題解決に対して、外部のフリーランスの方に入っていただいてプロジェクトを共に推進しています。提携先には大手の製薬会社や航空会社、精密機械会社、IT企業、メディア企業など幅広い業種の大企業が多くなっています。いま大手企業の人出が不足していて、これまでは外資系コンサルティング会社に依頼される傾向でしたが、当社では「社員と同じ様に物事を進める人がいないと難しい」という企業のお悩みを解決する為、フリーランスの方に社員と同じ立場で仕事をしていただき様々な企業の変革を伴走サポートしています。
実力もあり志をもつ人たちが活躍できる「社会インフラ」を。
新卒でアクセンチュアに入社、その後ベンチャー企業に転職し、47都道府県を旅するうちに、「日本を元気にしたい」という想いで2008年にサラリーマンを辞めて起業しました。いよいよ「地方創生をやるぞ!」と思っていた矢先にリーマンショックがやってきてしまい「とにかく食べていくしかない」と自分自身が東京でフリーコンサルタントとして仕事を始めました。
営業は初めてでしたが1年位かけて仕事をとれるようになってきた頃、周りを見るとキャッシュがまわらず苦戦しているフリーランスの友人が多くいらっしゃいました。そこで、自分に依頼がきた仕事をパスしようとしたのですが、顧客から「岡本だから月150万円でも頼めるけれど、会ったこともない人にそんな高額を支払える訳ないでしょう」と言われてしまい、それならばと、事業として責任をもって間に入り契約し案件を紹介する今のスタイルを2010年に確立しました。
当時はフリーターとフリーランスの違いも世間に認知されていないような時代。年間1千万円以上稼いでいた優秀な若手コンサルの友人でさえ、結婚の申し込みに奥さんの実家に訪れた際「フリーランスのような地に足がついていない奴に娘はやれん」と終身雇用で働いていたお義父さんに最初は門前払いだったそうです。そんな逸話があるくらいフリーランスの社会的信頼は高くありませんでした。
案件紹介において、友人としては共に過ごしていても仕事は一緒にした事はなかったので、責任をもってスキルチェックを行いました。その際に「何がしたいですか?」とヒアリングしていくと(1)「中小企業・ベンチャー企業の支援」(2)「地方創生」(3)「海外との繋がり(インバウンド・アウトバウンド)」と大きく3つのテーマを持つ方が多く、自分と同じ「日本を元気にしたい」と思う同志であることも分かり「実力もあり志も高い人たちが活躍できる社会にしたい」と強く思いました。
それまでは自分が地方に行き地方創生することを考えていましたが、むしろ、彼らのような人たちが活躍できる為の「社会インフラ」を創ってしまえば100人いたら100の方法で日本を元気にしてくれるのではないか、そんな新たな想いをアクセルにして起業し、事業を加速していきました。
地方副業、地方転職など「多様化する働き方」を支援。
起業から暫くご飯を食べていく為のライスワークの支援をしていくうちに、政府でも“働き方改革”の検討が始まり、この10年でフリーランスの地位も向上し社会的に認められるようになりました。さらに2020年から新型コロナの時代になり、リモートワークをはじめ、地方副業、地方転職といった働き方も多様化してきました。
当社は国が働き方の政策推進を行う遥か前からプラットフォーム事業を手がけていたので、結果として時代がついてきて追い風となったことはラッキーでした。その中にはM&Aで3年前から始めた大企業のプロ人材が地方の中小企業で月々3〜5万円程度で働いてくれる地方副業マッチングプラットフォーム「Skill Shift(スキルシフト)」や、その翌年に政府系ファンドの傘下にあった日本人材機構から受け継いだ、東京の一局集中を是正する為に東京から地方に転職で移住支援するための地方転職プラットフォーム「Glocal Mission Jobs(グローカルミッションジョブズ)」もあり、東京人材を地方へどんどん連れていく取り組みを続けています。
当社は世の中のムーブメントが起きる時に、既にそこで闘えるようになっていることが多いという感じです。
また近年はデジタル系の人材が不足しているといわれていますが、2014年には「金融×IT技術」のFinTechに特化したコンサルタントサービスを立ち上げ、当時からRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)のロボティクス分野やDXに関しての支援を行ってきました。既に最新技術のプロジェクトで稼働された相当数の方のデータベースが登録されていますので、世の中のこれから起きる方向性に対してビジネスをしかけ続けていけることになります。
人生100年時代における「リスキリング」の必要性と実践。
当社ビジョンの「プロフェッショナル人材の挑戦するエコシステムを創造する」を体現する為に、企業に埋もれている人材をどうやって外に出すかをずっと考えてきました。
日本は労働人口6千万人のうち約5%しか転職していませんが米国は年間で23%位。日本は未だ終身雇用的に働いている方が多いです。近年転職する人が増えたといっても大企業ですと生涯で2〜3割なので、転職副業しようとする人だけをかき集めてもまだ足りません。
そうした状況下で、大企業の人事に入り込んで中からブルドーザーのようにかき出すことが必要だと思った時に「リスキリング」というソリューションの必要性を確信しました。昨年、政府が5年で1兆円の予算を投じると話題になりましたが、リスキリングの領域では2年前から大手企業への提供を始め、ノウハウを貯め続けています。また、昨年には、東京電力ホールディングスと実践型リスキリングサービス「プロフェッショナルキャンパス」を立ち上げました。
当社は、大企業をはじめベンチャー企業、自治体といったステークホルダーと事業を展開していることで、常に「生の経営課題」に触れる機会があります。オンラインの座学だけでリスキリングしようとしても、いきなり大企業でスキルを活用するのは難しいため、まず地方で試す事は有効と考えています。そのために、地方中小での副業を通じてスキルを身に着ける実践型のサービス提供を行っています。他にも地域や地域企業の課題を解決するための現地でのワークショップを開催し、複数人で議論して解決策をその場で社長にプレゼンするというワーケーションプログラムも提供しています。
最近では、福島県いわき市のご当地クラフトビールの事業展開のアイデアを考える、2泊3日のワーケーションツアーを実施しました。
こうした「生の実践をする場を提供できること」は当社の1番の強みとなっています。人材マッチングのプラットフォームがあるからこそのソリューション事業で、様々な事業が組み合わさって、プロ人材の挑戦を支える大きなエコシステムができています。
日本企業では40代半ばから出世争いが終わって、残りの25年間を自分の力を発揮しなくてもやっていける人が多くいます。人生100年といわれていますが70歳を超えるとホワイトカラーでの雇用では働きにくく、誰しも業務委託で仕事をせざるをえない状況になります。いま副業を経験することで、人生の選択肢を増やし、30年後の自分の下地を創ることもできるのです。そうした時にも当社のエコシステムを活用いただきたいです。
「ライスワーク」と「ライフワーク」を自由に選択できる社会へ。
仕事の話をする時に、ご飯を食べる為の「ライスワーク」の話だと不満や愚痴しかでてきませんが、自己実現や生き甲斐に繋がる「ライフワーク」の話になるとみなさん生き生きとした目になって語ってくれます。そんな目を輝かせて仕事をする大人を増やしたいと思いますし、そうなればもっと日本は元気になると信じています。
だからこそ「ライスワーク」と「ライフワーク」の両方をやっていかなければならない、当社にできる事はまだまだあると思っています。
日本には起業家が足りていません。多くの起業家に会って気づいたことは、起業する人は自分の人生で起業家に会っている事が多いということ。子どもの頃から起業家、フリーランスと会わせることで「世の中にはこんなに自由な働き方がある、こんな人生もある」と知ってもらいたいです。ライフワークとしてそれを取り組めるようにするには時間も必要です。世の中を変える為には、やはり10年、20年はかかるので、今の事業を推進すると共に「展望」としてはそうしたことも考えています。
読者の方々に伝えたいメッセージ。
今この記事を読んでおられる方も1人のプロフェッショナル人材でいらっしゃると思います。周りや古い価値観に捕われずに、自分の人生を「選ぶ」勇気をもっていただきたいです。そして「働き方が自由に選択できる」という事と「人生を選択できる」という事はニアリーイコールであると考えています。まさに現在はそうした選択ができる世の中になってきています。だからこそ、自分の人生を、勇気をもって「創造」していただきたいです。
記事投稿日:2023年3月16日