株式会社IMAGICA EEX

株式会社IMAGICA EEX
新しいエンタテインメントやエクスペリエンスを創造する。

諸石 治之さん/早川 正祐さん

株式会社IMAGICA EEX
諸石 治之さん/早川 正祐さん

ライブエンタテインメント事業、エクスペリエンス事業、コンサルティング事業

株式会社IMAGICA EEX (イマジカ イークス)
代表取締役CEO兼CCO
諸石 治之さん(写真右)
Haruyuki Moroishi

[プロフィール]
1998年 放送番組制作会社に入社し、8K・大型映像空間の演出や、プロジェクションマッピング・展示会等のプロデュースを手掛ける。2016年 テレビCM等を手掛ける会社に転じ、エンタテインメントコンテンツやイベントの企画・プロデュースに携わる。2018年 IMAGICA GROUP で新規事業企画推進担当、グループ連携プロジェクト統括、東京五輪イノベーションスーパーバイザーを歴任。2020年7月IMAGICA EEX 代表取締役CEOに就任。

 

取締役COO
早川 正祐さん(写真左)
Masasuke Hayakawa

[プロフィール]
1997年株式会社デジタルスケープ入社。クリエイター人材事業に従事。2007年株式会社ワークスコーポレーション取締役。2014年東京国際プロジェクションマッピングアワードを立ち上げ。2020年株式会社IMAGICA EEXの創業に参加、取締役COOに就任。メタバースなどライブエンタメのDX事業を担当。

 

“クリエイティブ”と“テクノロジー”を融合させた新しい会社。

2020年、新型コロナウイルス感染症の影響でロックダウンや緊急事態宣言が発令され、ライブや演劇、イベントなど世界中のあらゆるエンタテインメントがストップし、世の中に暗いムードが漂っていました。
そんな中、我々は映像コミュニケーションというソリューションを使って、エンタテインメントをDX(進化したIT技術を浸透させることで、人々の生活をより良いものへと変革させるという概念のこと)していく必要性を感じ、それを実現すればビジネスチャンスにも繋がるのではないかと考えました。そして2020年の7月に、IMAGICA GROUP(映像の企画・制作・編集・配信・流通を、グローバルにワンストップで届けるクリエイティブ&テクノロジー集団)の“クリエイティブ”と“テクノロジー”の高度な映像技術を活かし、今までにないエンタテインメント体験を生み出すことを目的としたIMAGICA EEX (イマジカ イークス)という会社を設立しました。
なぜIMAGICA EEXと名づけたのかといいますと、IMAGICAとエンタテインメントのE、そしてエクスペリエンスの頭文字であるEXを組み合わせることで、意味合いを持たせたかったからです。

 

クリエイティブとテクノロジーのどちらかの機能を持つ会社は日本にたくさんありますが、両方の機能を兼ね備えた会社は珍しく、それこそが弊社グループの大きな強みとなっています。IMAGICA GROUP傘下の事業会社の特徴や特性と、最先端テクノロジーを融合した新しいエンタテインメント体験を世の中に提供するために日々模索しています。

 

 

XRを活用した世界的K-POPアイドルのオンラインライブを演出。

実績としては、設立からすぐの2020年8月、大物男性アーティスト初のオンラインライブの映像演出を担当しました。360度の巨大LEDビジョンに300名のファンを映し出し、ファンとのリアルタイムでのコミュニケーションや生演奏等、インタラクティブな演出を実現したことで、多くのお客様に楽しんでいただけました。
また、2021年3月には、NTTドコモ、ワーナーミュージック、JYP JAPANと連携して、韓国の人気ガールズグループのオンラインライブの開催会場に設置された大型LED映像と、XR技術によるCG映像を担当しました。

 

コロナ禍になったことで、オンラインライブの開催やバーチャル空間を使ったエンタメなど、急速にテクノロジーが進化しています。この先もそういった需要は高まっていくと思われるので、弊社としては、クリエイティブとテクノロジーを縦軸にしながら、リアルとバーチャル、そしてメタバースも含めた新しい体験を生み出していかなくてはいけないと考えています。
もちろんエンタメ分野に限らず、都市開発や企業のブランドコミュニケーションなど幅広い領域の方々と共創していきたいですね。

 

縦型映像と透過スクリーンを活用した立体空間演出型ライブビューイングを実現。

実証実験の一例として、2022年9月に開催された『第35回 マイナビ 東京ガールズコレクション 2022 AUTUMN/WINTER』があります。コロナ禍になってからは2020年、2021年とオンラインのみの開催となった東京ガールズコレクション(以下、TGC)ですが、弊社はオンライン配信時にXR技術を活用して演出を施すなど新しい魅せ方に挑戦してまいりました。昨年にはTGCの世界観を3Dバーチャル空間で再現し、ユーザーは好みのアバターとなって参加できるバーチャルTGCのアプリをW TOKYO様と共同開発しました。アプリ(メタバース)内でのライブビューイングの演出および配信を担当させていただいています。
その流れで、2年ぶりに有観客での開催となったTGCでは、会場での観覧が難しいお客様に向けて立体空間演出型ライブビューイングの実証実験を行いました。

 

最先端の透過スクリーンを用い、スクリーンの奥が少し透けて見える演出を手掛けました。ビューイング会場にランウェイを作り、そこに透過スクリーンを設置して、会場でモデルさんがランウェイを歩いている姿を縦型映像で投影しました。そうすると、目の前をモデルさんが実際に歩いているかのような感覚になり、圧倒的に没入感を高めることができるんです。
ちなみに透過スクリーンをを活用した立体空間演出型ライブビューイングの実証実験は日本初だったそうです。

 

オンライン配信の場合、家や出先で気軽に観られるという利点はありますが、立体空間演出型ライブビューイングでは、友達と一緒に参加でき、さらに観る場所を自由に変えながら観覧できるというインタラティブなスタイルなので、今後もっと需要は増えていくのではないかと思っています。

 

 

文化庁の支援により、高臨場感ライブビューイングの実証実験が可能に。

近年では、演劇、アーティストのコンサート、スポーツなどライブビューイングが増えており、弊社では、IMAGICA GROUPの持つクリエイティビティと最先端テクノロジーを集約し、巨大ワイドスクリーンに8K超高精細映像を投影する⾼臨場感ライブビューイング「VISIONS」を活⽤したライブビューイングを行ってきました。

 

エンタテインメント業界は、常に新しいことを発信しているものと思われがちですが、実は真逆で、フォーマット化されたものを作っていることが多いのです。
例えば、テレビ番組や映画は新しいメディアで楽しむというよりは映画館やテレビ、スマホといった既存のものを使用して鑑賞するのが普通ですよね。また、アーティストのライブはライブハウスやアリーナ、ドームで開催されるのが一般的です。

 

ですが、エンタメはもっと自由度が高いものであると弊社は考えているので、今までにない新しいスタイルでのサービスを作っていきたいのです。ライブビューイングに関しても、限られた空間にコンテンツを押し込めるのではなく、自由な発想で、コンテンツがより生きるような演出ができるはずだと。そういった考えをもとに実験を重ねていくことで、これまで以上の驚きや感動を味わえる体験が提供できるのではないかと考えています。

 

今後は「未来の標準」となるようなエンタメを。新しいエクスペリエンスを提供したい。

コロナ禍になったことで、エンタメ業界ではバーチャルやサイバーな世界を融合した新しいエンタテインメントに関心が集まっているように感じます。また、エンタメに限らずさまざまな企業がテクノロジーを使った新しいことにチャレンジしたいと考えていて、例えばビルの中に商業施設や劇場を作る際に、キャパシティが限られている実際の場所だけではなく、バーチャル空間を作り、世界中の人たちがそこに集まって楽しめるサービスを提供できないかというご相談が増えました。

 

それが実現すると、体の不自由な方や外出が困難な方などが、アバターを使って自由にショッピングやエンタメを楽しめるようになり、バーチャル空間で出会った人たちと気軽にコミュニケーションを取ることができるので、それこそが本当のバリアフリーではないか、そんな風に感じています。

 

これから5年後、10年後は、さらにテクノロジーが進化して新しい標準が生まれているはずで、例えば音楽を歩きながら聴くことをブームで終わらせずに標準化させたソニーのウォークマンのように、弊社も「未来の標準」となるようなエンタメを作っていきたいと考えています。そのためにはまず、実証実験などで種をたくさん蒔いて、実績を作らなければいけません。

 

“エンタテインメント=音楽、映画、アート”といったイメージが定着していますが、それ以外の、例えば教育や産業、科学といった分野とエンタメを融合させることで新しい何かが生まれるのではないかと考えています。今後は研究者や建築家、教師のような異業種の方々と一緒に新しいエンタメを創造し、驚くようなエクスペリエンスを提供していけたらと思います。

 

記事投稿日:2023年3月8日