株式会社クロスマインズ

株式会社クロスマインズ
写真のデジタル化で、時を超えて心を通わす体験を。

西村 克彦さん

株式会社クロスマインズ
代表取締役CEO西村 克彦さん

写真のデジタル化事業

 

 

株式会社クロスマインズ

代表取締役CEO 西村 克彦さん

Katsuhiko Nishimura
[プロフィール]
旭光学工業株式会社アパタイト研究グループにて、人工歯根開発技術調査室兼務、後年、電子写真の技術開発に従事。1986年からキヤノン株式会社にて、電子写真エンジン開発・OEM先との開発、本社R&Dにおいて技術開発に従事。知的財産法務本部にて、R&D部門のリエゾン業務に従事。美働賢生スマート研究会を主宰。2014年株式会社クロスマインズを設立、代表取締役を務める。

 

アルバム写真を高画質・低コストでデジタル化。

 

クロスマインズでは、アナログ写真を高精細にデジタル化するサービスを主に行っています。
私は、たくさんの思い出が詰まった写真を大事に保管していただきたいという信念を持ってこの仕事をしています。というのも、私の母が昔の写真を見ながら当時の思い出話をしてくれることがあり、そんな時に“生きているうちに身近な人の大切な思い出を聞くことができるというのは本当に素敵なことだな”と実感するからです。
紙写真は失くしてしまったり汚してしまったりすることも多いため、せっかく撮った大切な写真を失わないためにも、デジタル化して保存することが必要になってきます。

 

そこで弊社はアナログ写真や絵画などを丁寧に、高密度にデジタル化し、データを編集してフォトブックやオリジナルムービーを制作するPictCloud(ピクトクラウド)というサービスを2014年にスタートさせました。

 

PictCloudを始めるきっかけとなったのが最初のお客様からのご依頼でした。その方の家には子孫代々受け継がれている2枚の大切な写真があり、ご相談いただいたときに“なんとしてでも綺麗な状態で保存できるように力を尽くしたい”と思いました。
このご依頼をきっかけに、スキャナーをオフィス用のものからプロ用の最先端のものに買い替え、お客様が納得してくださるまで作業を重ねていきました。このご依頼がなければいまのクロスマインズはなかったと思います。

 

日本の家庭では部屋にたくさんの写真を飾る習慣があまりありませんが、外国ではフォトフレームに入った写真を部屋のあらゆる場所に飾っている光景をよく見ます。できれば日本でも部屋中に写真を飾って欲しいという想いがあります。いまはデジタルフォトフレームなどもありますから、古い紙写真をデジタル化して、ひとつのフレームでたくさんの写真を楽しむこともできますよね。

 

弊社ではカレンダーやクリアフォルダー、コースターやフォトタイルなどへのプリントも可能ですので、大切な写真や思い出いっぱいの写真をそういった形で活用していただくご提案も行っています。

 

現在、ご依頼いただくのは個人の方から企業、企画会社、プロフォトグラファー、デザイナー、アーティスト、特殊印刷会社など様々です。アナログ写真のデジタル化は1枚から多くて2万5千枚、解像度は350dpiから大きなものでは3200dpi、フィルムサイズも35mmだけでなく大判サイズも承っておりますし、レタッチやガラスに張り付いた写真の復元処理などのご依頼も可能です。

 

屏風やグラスなどへのフルカラー印刷が可能なLaxerop技術。

以前、横須賀にある満昌寺のご住職から襖絵を高解像度でデジタル化して屏風にほしいというご依頼をいただいたのですが、大切な重要文化財である襖絵の質感を再現し、それを和紙に印刷するには設備投資が必要でした。そこで港区の新製品・新技術開発支援事業補助金を利用し、Laxerop(ラージェロップ)の技術を開発することができたのです。

 

Laxerop技術は屏風や和紙だけではなく、高度な印刷技術を要するグラスやガラスにも色鮮やかで高精細なフルカラー印刷が可能です。グラスに関しては、2018年に現代美術家である宝居智子さんの絵を印刷したのが最初なのですが、透明度を上げるために何度も実験を重ね、トナーを直接つけるという手法を用いて世界一のクオリティを誇る印刷を成功させました。

 

他にもラグビーボールや絹本、金属やキャンバス、Tシャツなどのフルカラー印刷も可能で、オリジナルのイラストや絵画、写真、ロゴなど様々なものに対応しております。喫茶店やビアガーデンといったお店のオリジナルグッズから一般企業様の創立記念品などのご依頼をいただくこともあり、こちらも1個から千単位までお受けしております。

 

グラスに続いてご好評いただいているのがキャンバスで、Laxerop技術によって濃度やグラデーションをしっかりと印刷することが可能です。20ミクロンほどの薄さのフィルムの裏にまず印刷して、そのフィルムごと熱をかけてキャンバスに貼っているため、まるで本物の絵画のような質感をお楽しみいただけます。

 

素晴らしい才能を持つアーティストを世に広めるために。

2019年にマレーシアで行われた「Art Fair Kuala Lumpur 2019」でDaniel Liau Wee Sengというアーティストと出会ったのですが、彼の作品を一目見てポジティブなエネルギーを感じてとても心惹かれました。
そのあと彼と三日間話をして意気投合し、彼の作品をグラスに印刷することになりました。その後、Danielは「LA International ART ESTIVAL And Beverly Arts Online Exhibition 2021-2022 (LABA)」で世界を変える画家50人のうち第29位(2022年は、第12位)となり、現在は、彼との共通のコンセプトであるPhilosophy Through Arts(気鋭デザイナーコラボ限定プロジェクト)を発足し、新進気鋭なアーティストとのコラボ活動を行っております。

2022年5月末から6月頭には、初来日のDaniel、そして「機動戦士Zガンダム」や「鎧伝サムライトルーパー」などのデザインに携わった岡本英郎さんと一緒に個展を開催し、彼らの原画とLaxerop技術で印刷したキャンバスやグラスを展示しました。

 

また、昨年には屏風にプリントしたものをご覧になったという英国人の有名なトランプデザイナーさんから、ミニチュア屏風を作って欲しいというご依頼をいただき、和紙選びからデザインの配置、印刷とカットまでをこちらで行い、最終行程をミニチュアの作成が可能な屏風屋さんに依頼して1,000個作りました。これをクラウドファンディングで販売したところ、1週間で1,000個近く完売したそうです。

 

今後もDanielのような素晴らしいアーティストの作品を世に広めていきたいですし、トランプデザイナーの方のような新しい出逢いを通じてチャレンジングなもの作りを行っていけたらと考えています。

 

また、アーティスト支援の一貫として、私自身がフォトグラファーとなりアーティストのライブ写真の撮影を行ったりもしています。それは単純に音楽が好きだから才能あるアーティストのお手伝いがしたいという想いでやっていますので、気軽にお問い合わせいただけると嬉しいです。ライブ撮影以外にもプロモーション用撮影や動画撮影編集なども行っております。

 

イベントなどのお手伝いをすることもあり、駐日ギリシャ大使館後援の「ギリシャ・オープンフォトスクリーン&アフロディーテ・ベリーダンスの夕べ」では特大スクリーンにスライドショーとして写真を投影し、20名の方に写真に対する想いを語っていただきました。他にも2015年にはスポンサーとして、またビジネス探索として日本モンテネグロ芸術文化交流祭に参加させていただいております。

 

生きているうちに写真を活用していただくためのお手伝いがしたい。

 

アートを大事にしていることもあり、弊社の顧問はデザイナーの方に担当していただいています。その方は私がキヤノンで働いていた頃の研究会の同志であり、美働賢生の提唱者でもあり、良き理解者でアドバイザーです。デザインというのは写真や画像すべてに対して重要な意味を持ち、魅力をアップさせる上でも重要な位置を占めています。そういう意味でも弊社のポリシーに合ったデザイナーとの協力は不可欠だと考えております。

 

今後の展望としては、大小さまざまなホールでアーティストが演奏できるようなイベントを行ったり、デザイナーや画家の作品を展示する個展を開いたり、どこか施設を借りてデジタル写真を特大スクリーンにスライドショーできる装置を置き、お客様がご自身で操作しながら写真の思い出を語っていただけるような場を作っていきたいと考えています。

 

また、生まれ故郷の下関市にある、廃校となってしまった母校である小学校施設を再利用して、工房を作り、地方と都市を結び、新たな、地域活性化の場にしていきたいと思います。

 

会社名である“クロスマインズ”には、様々な人と心の交流をしたいという意味が込められています。過去と未来、将来的には、地方と都市を結んで、この両軸を繋げられるように今後も様々な活動やサービスに力を入れていきたいですし、生きているうちに写真を活用していただくためのお手伝いをしていけたらと思っています。

 

 

記事投稿日:2022年11月20日

※港区「新製品・新技術開発支援事業補助金」の採択事業者です。