株式会社mogana

株式会社mogana
亡き愛犬への思いが詰まった
「腸活ピューレ」を販売

木本 愛果

株式会社mogana
代表取締役木本 愛果

株式会社mogana
代表取締役
木本 愛果さん/Aika Kimoto

これまでの通販事業の経験を活かし、愛犬・愛猫の健康を想い無添加おやつや腸活サプリを開発。
ECを中心に、ペットと過ごす豊かな暮らしを提案している。

 

 

亡くなった愛犬への思いから
「腸活ピューレ」を開発

 

―「mogana」の事業内容をご紹介ください。

 

私たちの事業には、大きく分けて2つの柱があります。

1つは自社製品の開発・販売を行う通販事業で、現在はAmazonや楽天などのECプラットフォームを中心に展開しています。

もう1つはコンサルティング事業です。私自身が長く通販業界におり、通販会社様に対してマーケティング支援を行っています。

 

―通販事業では、どのような製品を取り扱っているのですか。

 

ペット向けのサプリメントや、おやつが主軸です。特に力を入れているのが「腸活ピューレ」というサプリメントと、無添加にこだわったペットおやつですね。

 

―「腸活ピューレ」は、どのような思いで開発されたのでしょうか。

 

開発のきっかけは、私の実家で飼っていた犬にまつわる経験です。その子は認知症を患ってしまい、母が抱っこしようとしてもビクッとしてしまうような状態で、最期までその症状が続き、母もとても辛そうでした。その姿を見ていて、「もっと小さいころからできるケアはなかったのか」とずっと考えていたのです。

 

そこで、犬が摂取するサプリメントの原料などについて、いろいろな会社にお話を聞きました。そんな時、共同創業者・加藤の姉の紹介で獣医師の先生と出会い、「若いうちからできる一番のケアは『腸活』だよ」と教わりました。腸の不調はいろいろな病に繋っていて、普段のちょっとした不快なトラブルも腸に起因することが多いです。ここをケアすることで、ワンちゃんの健康に広くプラスになるのではないかと考え、「腸活ピューレ」の開発をスタートしました。

 

―世の中には他にも犬用のサプリメントがありますが、他のサプリとの差別化やこだわったポイントはありますか。

 

おいしさですね。従来の犬用サプリは、人間が飲むような錠剤タイプが多く、ワンちゃんが喜んで食べているようには見えませんでした。

ただ、おいしくないと続かないのではないかなと思っていたのです。

そこで、おやつのようにおいしく、ワンちゃんが自分から欲しがるようなおいしいものを目指し、ピューレ状のサプリを開発しました。

 

製造をお願いしている会社は出汁に強みをお持ちなので、おいしい出汁を入れたり、北海道産のえぞ鹿肉を使ったりと、嗜好性を高めることに徹底的にこだわりました。

 

―開発にはどれくらいの時間をかけたのでしょうか。

 

1年以上かかりました。特に、単なるゼリー状ではなく肉感のあるピューレ状にすることにこだわったのですが、それを受けいれてくれる会社がなかなか見つかりませんでした。立ち上げたばかりの会社ということもあり、20社ほどに断られ続け、非常に苦労した覚えがあります。

 

ただ、ペットが本当においしいと感じるよう、最後までピューレ状にはこだわり続け、ようやく今お願いしている会社にたどり着きました。

 

 

 

 

――飼い主からは、どのような反響がありましたか。

 

まだ一般販売を始めて間もない段階ですが、サンプルを試してくださった獣医師の先生やお客様などから、「食欲が落ちていた子が、このサプリをきっかけに食べるようになった」「便の臭いが気にならなくなった」といったお声をいただいています。ワンちゃんもおいしく食べてくれているみたいです。

 

腸の状態が悪いと、皮膚病などの不調に繋がることもあります。ワンちゃんが痒そうにしていたり、便が緩かったりといった悩みを持つ飼い主さんは多いので、そうした課題の解決に役立てればと思っています。

 

――どのような原料が腸の不調に効いているのでしょうか。

 

大前提として、人間と同じようにワンちゃんも一匹一匹、腸内環境が全く異なります。そのためこれを入れれば全てに効くという成分を1つに絞ることは非常に難しいです。そこで私たちが採用したのが、「FF16」という成分です。これは多くの成分が凝縮された複合的な原料で、どれか1つの成分が効くのではなく、多種多様な成分が含まれているからこそ、その子の腸内環境に合うものが必ず見つかるはずです。

 

そのほかにも乳酸菌や乳酸菌のエサである食物繊維など、腸内フローラを整えることに着目した成分を配合しています。

 

―ペット向けのおやつシリーズについても教えてください。こちらはどのような特徴があるのでしょうか。

 

おやつは原材料を絞り込んだ無添加と、使い勝手の良い個包装にこだわっています。原材料は、例えば干し芋は紅はるかだけ、あるいはマグロやカツオだけといった非常にシンプルなものですので、人間でも食べられます。そして、私自身が猫を飼っていて感じていたことなのですが、市販のおやつは大袋入りが多く、最後の方は湿気たりカビたりしてしまうことがありました。そこで、人間のおつまみのように少しずつあげることのできる個包装の形態を採用しました。

 

―もう一つの事業であるコンサルティングでは、どのようなことをしているのでしょうか。

 

通販コンサルティングでは、多種多様な業界のクライアントを支援しています。特に通販の経験がない企業様に対しては、事業立ち上げの第一歩から伴走し、具体的な進め方をアドバイスしています。また、すでに展開されている事業についても、詳細な数字の分析を通じて不足している要素を洗い出し、課題解決に向けた具体的な施策を提案することで、着実な成果に繋げられるようサポートを行っています。

 

 

正反対の強みを持つ
二人のシナジー

 

―ここからは会社設立の経緯についてうかがいます。共同創業者の加藤さんとは以前からの知り合いだったのですか。

 

はい、もともとは同じ通販会社の同僚でした。

2年ほど、スキンケア製品を扱う部署で一緒に仕事をしましたね。

 

―そこから起業に至ったきっかけは何だったのでしょう。

 

実は私自身にはそれほど強い起業志向はありませんでした。加藤は以前から「いつか起業したい」という思いを持っており、彼女に誘われたのが始まりです。

 

加藤と前の会社で一緒に働くなかで、彼女の俯瞰して物事を見る目線は、自分にない強みであると感じ、一緒に起業してみたいと思うようになりました。私は実務を詰めていくのは得意ですが、彼女は商品そのものを超えて、その商品が世界をどのように変えることができるのかなど、一段高いレイヤーで物事を考えられる人です。

 

お互いの得意分野が異なることは、大きな強みだと思っています。もちろん二人で活動する中で、時には不満が生まれることもありますが、それを避けるのではなく、定期的にディスカッションの場を持てる関係性が築けています。話し合いが必ずプラスにはたらくと信じられるマインドがあるからこそ、嫌な気持ちにならずに向き合えるのだと思います。そうして半年ごとに振り返ってみると、確実に以前より前進している実感が得られますし、一人では心が折れてしまいそうな場面でも、二人だからこそ乗り越えられている部分は大きいです。

 

 

 

 

誰かの願いを形に
お客様と繋がれる実感

 

―どのような流れで事業内容や、会社の方向性が固まっていったのでしょうか。

 

もともと通販会社にいたときに、モノを売ることを通してお客様の生活を豊かにする喜びを感じていたので、それを自分たちの会社でやりたいと思っていたんです。

そこで、人間の腸活サプリメントや酵素ドリンクなど様々な商品案案を検討し試行錯誤を続けていました。その中で私も加藤もペットに興味があり、市場調査でペット需要の拡大が確認できたので、この事業への方向性が固まりました。

 

―「モノを売る」ことの魅力は何でしょう。

 

私が過去に経験した人材業界のような無形商材では、成果が候補者自身の努力に左右されるといった間接的な側面もありましたが、物販は自分が送り出した商品が誰かの手に渡り、その方の生活をポジティブに変えていく実感をダイレクトに得ることができます。

 

お客様からいただくお手紙などを通じて、直接喜びの声に触れられることは、私にとって何物にも代えがたいやりがいです。さらに、通販という手段を用いることで、石垣島のような遠方に住んでいて本来なら出会えなかったような方々とも繋がれるという、アプローチの広さも魅力です。

 

―「mogana」という社名にはどのような意味が込められているのでしょうか。

 

「もがな」は日本の古語で、「〜があればいいな」「〜であってほしい」という願望を表す言葉です。私たちがゼロから革新的なプロダクトを発明するのは難しいかもしれませんが、誰かの欲するもの、誰かの願いを形にできる会社でありたい、という思いを込めています。

 

 

 

 

想定外の連続で
世界が広がる感覚

 

―起業するにあたって、不安や迷いはありませんでしたか。

 

それはもう、何度も迷いました。私はどちらかというと優等生的な生き方をしてきたタイプで、周囲の目や評価も気にするほうです。安定した会社員生活を捨てて挑戦することには大きな葛藤があり、何度も彼女の誘いを流していました。

 

でも、最終的には「この人と一緒なら楽しそうだ」という感覚が決め手となったと思います。準備期間も含めると1年近く二人で話し合いを続け、自分たちの人生で何を大切にしたいのか、どんな仕事をしたいのかを突き詰めていきました。

 

―起業してみて、会社員時代との違いをどのように感じていますか。

 

毎日が想定外の連続ですが、それが逆に楽しいですね。会社員時代はある程度予測できる範囲の中で仕事をしていましたが、今は販売はもちろん経理から法務、システムまで全て自分たちでやらなければなりません。知らない世界が広がっていく感覚があります。

 

―港区で起業した理由は何だったのでしょうか。

 

最初はバーチャルオフィスからのスタートだったので、住所をどこにするか話し合いました。過去に経験した化粧品業界では銀座や青山といった住所がブランド力になるという感覚があったので、青山の住所がいいな、というくらいの軽い気持ちで港区を選びました。

 

しかし、実際に会社を設立してみると、港区のサポートが非常に手厚くて驚きました。事業計画書の作成を支援していただいたり、製品開発の際に不安だった契約書の作成について弁護士さんを紹介していただいたりと、本当に助かっています。助成金や補助金の案内も頻繁にいただけるので、中小企業にとって心強い環境だと感じています。

 

―今後の展望について教えてください。

 

まずは現在展開しているペット向けの製品を、より多くの方に知っていただき、事業としてしっかり軌道に乗せていくことが目標です。展示会などにも頻繁に出向き、今まで出会ったことがないような方々と出会い、私たち自身の視野を広げていきたいと思います。

 

役割分担については、今はまだお互いにできることをやるという行き当たりばったりな面もありますが、いずれは組織として人を増やし、思考に充てる時間をもっと確保できるようにしていきたいです。

 

―最後に、これから起業しようと考えている方へメッセージをお願いします。

 

私たちはまだ成功したとは言えませんが、それでもやってみてよかったと断言できます。たとえ失敗したとしても、「あの時は楽しかった、面白かった」と笑える経験ができていると感じます。

 

迷っている時間があるなら、まずは一歩踏み出してみることをお勧めします。起業は確かに大変で、未経験の負荷もかかりますが、自分がやりたいと思ったことを本当の意味で実現できるのは、何物にも代えがたい経験になるはずです。

 

自分が描いていたものとは違う形になったとしても、動いてみることで必ず新しい景色が見えてきます。ぜひ挑戦してみてください。

 

 

 

 

 

記事投稿日:2026年3月27日