株式会社ココエ

株式会社ココエ
データ×アカデミックで
大企業の経営課題を解決

近藤 恵子

株式会社ココエ
代表取締役近藤 恵子

株式会社ココエ
代表取締役
近藤 恵子さん/Keiko Kondo

東京農工大学 応用生物学科 卒業 。
600万人の会員数を持つ、ベネッセコーポレーション「ウィメンズパーク」に 立ち上げ時期から携わる。
ベネッセ勤務後ビジネススクールで学び、株式会社ココエを創業。
デジタルマーケティング、DX支援を得意とするコンサルティングファームを経営。

 

 

データ×アカデミックで
大企業の経営課題を解決

 

―「ココエ」では、どのような事業を展開していますか。

 

弊社は、業務委託やアルバイトを合わせて40〜50名規模のコンサルティング会社です。

データサイエンスとAIに強みを持ち、企業のDXと、経営課題の本質的な解決を支援しています。創業は2016年で、10年目を迎えました。

 

ココエの特徴として、女性社長ならではなのかもしれませんが、お客様にきめ細かいサービス提供しているので、顧客満足度が高く、コンサルタントも非常に働きやすいと言っていただくことが多いです。

創業当初からNTTドコモさんをはじめとするNTTグループさんの仕事が多く、ほぼ100%近くが売上1,000億以上の大企業さんのプロジェクトです。具体的には、事業部長や経営層の右腕としてデータを元に事業計画を策定したりKPI管理、AIを使った業務効率化などのプロジェクトが多いです。

 

とくに得意としている領域は、独自のフレームワークを生かしたコンサルティングです。昔はデータサイエンスを活用し、お客様が持っているデータを半年~1年かけて分析し、仮説を立てていましたが、最近はAIが出てきているので、早めに仮説を立ててAIを実装していくというアジャイル的な実装が得意です。現場に入りながら、AIが使えるか使えないかをお客様と相談しながら進めていきます。

 

―貴社のコンサルティングは、従来のマーケティングとはどう違うのでしょうか。

 

従来型のデジタルマーケティングは、SEO記事や広告配信、LP制作など、方法論や施策から始まり、それらを改善してプロダクトにしていくというものでしたが、弊社はマーケティング戦略ではなく「戦略的マーケティング」という言葉の本来の意味に立ち返るようになりました。お客様が持っているデータから何が導き出せるのかを構造化し、データを見て、どんな仮説が立てられるのか、それによってどんな事業戦略を立てられるのかということを考えるのが得意です。

 

―貴社の強みはどんなところにありますか。

 

こちらから「こういうサービスがあるから買ってください」というよりは、基本的にはお客様が成果を出せるように伴走していくのが弊社のスタンスです。

 

伴走するには、小回りのきいた個別対応が必要なこともありますが、ベンチャーということもあり、お客様の側に立って提供できているのが一番の価値だと思います。また、人材の質はほかの大手コンサルティングファームと全く遜色ないと思いますが、価格的な優位性はあると思います。

 

 

 

 

ベネッセでWebマーケの黎明期を牽引
DX領域でキャリアを築く

 

―ココエを設立するまでの、近藤さんのキャリアについて教えてください。

 

私は大学卒業後、10年間ほどベネッセコーポレーションに勤務していました。

 

ベネッセは「こどもちゃれんじ」や「進研ゼミ」などが有名ですが、私が担当していたのは「ウィメンズパーク」というサービスです。「子育ての相談をする人がいない」「周りに先輩ママやママ友がいない」という方々が「新生児の部屋」や「妊娠何ヶ月の部屋」といった各スレッドでいろんな悩みを相談できるというものでした。当時としては珍しいサービスでした。

 

そのサービスをローンチし、ベネッセで当時「Webマーケティング」と呼ばれていた部署に所属しました。まだWebマーケティングが一般的で無い時代、20年ほど前に数名で立ち上がった部署で、そこからウィメンズパークをグロースさせ、会員数は私が担当していたころに約数百万人まで伸びました。DXやデジタル領域にずっと関わっていたという、ベネッセの中ではかなり異色の経歴です。

 

その後、ビジネススクールに行き、ココエを創業しました。もともとデジタルやDXといったところから私のキャリアがスタートしているので、会社のサービスもそれに関連する内容になっています。

 

創業当初はマーケティング領域が多かったのですが、2年ほど前からデータサイエンスやコンサルティング領域に進出し、そちらが非常に伸びています。今年は、大学の先生と一緒に「データ経営大全」というデータサイエンス領域の本を出版しました。

 

―コンサルティング事業において、ベネッセ時代の経験はどのように生かされていますか。

 

ウィメンズパークが急激に伸びていた時に、私はそのサイトを使ってWebでお客様の課題を解決するための広告プロジェクトに携わっていました。

 

当時の部署は、ベネッセの中のベンチャーのような感じで人も少なかったので、1から10まで自分でやっていましたね。その時のお客様は、コカ・コーラさんや花王さんなど大企業ばかりで、700〜800件ほどのプロジェクトに関わったと思います。

 

そのため、ベネッセのときのプロジェクト進行や特に大企業お客様の課題解決といった経験が今に役立っているのではないかと思います。

 

―ココエを創業してから、顧客獲得はどのようにしてきましたか。

 

基本的には、私がトップ営業のような形で顧客を獲得しています。それはおそらく私が得意なところなのだと思います。

 

自分がベネッセで大きなお客様を担当していたので、大企業の担当の方が何を望んでいるのか、何に困っているのか、よく分かることも強みだと思います。

人が足りないとか、こういう人材が欲しいとか、予算取りで稟議を上げるとか、大企業ならではの進め方や悩みがあります。そういったところに慣れているのは、発注していただきやすいポイントだと思います。

 

 

 

 

時短の制約を越えて
自由に能力を発揮するために独立

 

―起業の経緯を教えてください。

 

もともと起業するつもりは全くありませんでした。きっかけは2人目の子が2歳くらいの時に時短勤務をしていたことで、大きなプロジェクトに関わるのが難しくなったことです。もっと自由に自分の能力を発揮するにはどうすればいいかと考え、大前研一さんのアタッカーズ・ビジネススクール(ABS)に2年間通いました。

 

ABSで事業計画を書いてみると、思ったより書けて、事業計画を立てるコンテストで入賞もしたので、2年間やっていくうちに「いけるのかな」と思うようになりました。また、ネットイヤーグループの代表だった石黒不二代さんという女性経営者の方が講師だったこともきっかけになりました。スタンフォード・ビジネス・スクール出身で、シリコンバレーでもビジネスをしてこられた方です。彼女のお話を聞いているうちに、「自分もできるかな」と勘違いして起業してしまった、という感じです。

 

―ピッチコンテストではどんな内容で入賞したのですか。

 

患者と医療専門家をマッチングするサービスで、特にうつ病一歩手前の人とカウンセラーをマッチングするアイデアをピッチしました。20年前だったので、オンラインで相談するというのはアメリカでは流行っていましたが、日本には存在しないサービスでした。

 

ただ、日本には素晴らしい医療制度があるので、症状がひどくなると皆さん病院に行くんですよね。その辺りの調査が甘く、初めてだったこともあり、なかなかマネタイズができませんでした。1年くらいでサービスを閉じて、会社をやめてしまおうかとも思いましたが、せっかく起業したので、私が社会のために役に立てることは何だろうと考え、コンサル的なものを始めたのが、今の事業の始まりです。

 

 

AI時代だからこそ「人」を大事に
プロ人材とともに価値を創る

 

―その後、会社はどのように展開していきましたか。

 

最初は同じビジネススクールの人と2人で立ち上げた会社でしたが、それ以降は時代に応じて組織の規模を変えてきました。今は正社員のコンサルタントを増やしながら、プロ人材が400名いるので、お客様の形態に合わせ、例えばセキュリティなどが厳しい時はフリーランスの優秀な人材を弊社の社員にするなど柔軟に対応しています。

 

―近藤さんご自身の大学時代の専攻は応用生物化学だったとのことですが、どのようにデータサイエンスを学んだのですか。

 

マーケティングをやっていると、例えばGoogle Analyticsなどで数字を見る必要がありました。元々データやロジックで物事を捉えるのが好きで学んだというのもあるかもしれません。

 

昨年は東大のデータサイエンススクールに行き、一通りはデータサイエンスを理解できるように勉強しました。

 

―生成AIのキャッチアップをどのようにしていますか。ビジネスへの生かし方についても教えてください。

 

AIがあることで学びやすくなっているということは強く感じます。特にプログラミングやPythonのようなデータサイエンスで使うものは、AIですぐにコードを書けてしまうので、勉強するのが本当に楽な時代になったと思います。

 

先日、ネットテレビのビジネス番組に出演し、AI時代だからこそ何が大切かという話をさせていただきました。その際は、AIに置き換えた後に残った業務を誰がやるのか、どう残すのかを普段のお客様との仕事で考えているというお話をしました。

 

弊社はAIやデータサイエンスの会社ですが、人の仕事は非常に大切にしています。まだまだ人に比べるとAIはツールでしかないレベルと感じることもあります。業務が効率化されても、人にしかできない部分があります。そこを大切にしながらも、AIによって効率化できるところをお客様と一緒に考えています。

 

 

成功も失敗も自分に跳ね返るのが
起業の面白さ

 

―会社経営をする中で、大変だったことや苦労したことはありますか。

 

弊社の企業理念は「『変わらない』を変える」というものです。お客様にも自分たちにも、「どんどん変わっていこう」と言っています。

 

もともとマーケティング領域でやってきましたが、この領域はAIでどんどん効率化されています。昔は全部人がやっていた広告の運用も、Googleが自動的にやってくれるようになりました。マーケティング領域はAIを取り入れやすいので、とくにコロナ前はお客様にAIを薦めていくことが自分たちの仕事をなくしていく時期もありました。

 

そこでコンサルティング会社として変わって成果を出していくところが大変であり、かつやらなければいけないことだったと思います。

 

―起業したきっかけとして、子育てによる勤務時間の制限があったということでしたが、起業してからの働き方はいかがですか。

 

私にとっては、経営者は労働基準法に守られていないので好きなだけ働けることが、良いですね(笑)

 

ベネッセで時短勤務をしていた時には、会社のルールもあり、なかなか仕事を任せてもらえなくなっていました。行き詰まった時に、もっと自由に自分の力を世の中で試してみたいと思った結果が起業でした。そして起業して感じる面白さは、マーケットとダイレクトなので、失敗しても成功しても自分に跳ね返ってくるところですね。それがとても楽しいです。

 

―起業する前に考えた「自分がやりたいこと」は今実現できていますか。

 

自分がやりたいこと、社会が求めていること、自分ができることは、必ずしも一致するわけではありませんが、一部重なってくるところがあるはずです。その3つの円の重なりを見つけていくのが起業だと思います。

 

私は、もともとは医療に関わることをやりたいと思っていましたが、自分ができることは、クライアントワークのようにお客様に価値を提供することで、得意なのはお客様の立場に立ったきめ細やかなサービスです。そして社会が求めていることは、コンサルタントのような上流人材の不足です。この3つが重なったのが、今の事業だと思っています。

 

―会社の今後の展望を教えてください。

 

会社規模を500人くらいにしたいと思っています。人数が多いほうがお客様にいろんな人を提供でき、パフォーマンスも出せるはずです。

今は年間売上2〜3億円規模なので、来年は10億円を目指し、メンバーが50名〜60名いたらいいなと考えています。

 

―ちなみに、港区にオフィスを構えたのは、どのような理由があるのでしょうか。

 

最初は銀座に会社がありましたが、ちょうどコロナ禍の時に引っ越してきました。近くのビルにお客様であるNTTドコモさんが入っているためです。港区には大きな会社さんも多いので、社員も行ったり来たりできます。やはり便利ですよね。

 

―起業を目指す人に向けたメッセージをお願いします。

 

ちょっと極端な意見かもしれませんが、20年前に先輩の経営者が「大企業に勤めている方がリスクがある」と言っていました。

 

昔だと大企業に勤めていることは安定につながっていたかもしれませんが、今はAIが出てきたことで仕事が代替されてしまい、自分の意思とは関係ないところで解雇されてしまったり、転勤したり、違う部署に異動したりという力がどうしても働くと思います。

 

起業すると、良くも悪くも自分の意思を反映させて市場と向き合えるので、逆に起業するほうがリスクはないのではないかと思っています。

 

起業にはいろんな規模があって、別に100人にしなくてもいいわけです。社員2人と自分で3人でもいいし、いろんなやり方があると思います。自分なりの起業を見つけていくことは、会社勤めよりも、逆にリスクではなくなる時代が来るのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

記事投稿日:2026年3月28日